鎌倉長谷の家(自力建設の家)

 

 

この家は設計者である私自身の家であり、施工に関しても出来る限りの範囲で、私自身の手による自力建設部分と分離発注方式によりで造られた家です。構造的には鉄筋コンクリート壁式構造です。建築の施工の自力率は、コンクリート基礎と躯体、電気、給排水設備、屋根工事、建具工事、木造骨組み、などの専門部分以外で、主に木工事の内部仕上げ、キッチン、造り付家具、外部デッキなどで、大工修行3年目の大工さん一人の手伝いをお願いして、二人で6カ月、残りの4カ月を一人で仕上げ完成させました。

木材は伊豆修善寺の製材所で直接買い付け、現場で加工しました。使用材料はコンクリート、ガラス、木材などで新建材はあまり使用してません。


 

 施工    = 分離発注と自力建設方式
 敷地面積  = 255.79㎡(77.37坪) 建築面積 85.97㎡(26坪) 延床面積 138.28㎡(41.82坪)
 規模構造  = 地上2階建RC壁式構造+木造(2階床、内部間仕切壁、屋根部分)
■内部仕上
 床      = 杉板一等材、本実加工90×20(2階は本実加工240×30)、オスモカラーフロアクリア
 壁、天井   = 杉板一等材、相决り加工130×12
■外部仕上

 屋根         = ガルバリウム鋼板瓦棒葺き

 外壁      =(桁側)杉厚板本実加工204×30、型枠兼用仕上、オスモカラーガードステインエコ
          (妻側)スダレ化粧型枠打放し仕上げ
 開口部     = 米ヒバ木製建具オスモエキストラクリア
 総工事費    =2,200万(坪単価約52.6万)
         基礎、躯体工事費657万 給排水、衛生設備費140万 
         電気設備費130万 屋根、板金工事費100万 建具工事費240万  
         ガラス工事費73万 材木費460万 薪ストーブ一式60万 金物類その他80万 
         大工工事費260万(施工協力、大工さん1名約4ヶ月間) その他、自力労働力 



なぜ自力建設?私の場合の一番の理由はやはり資金的な問題、そして次の理由は、以前から自分の家は、自分の手で造りたいと、漠然と思っていたこと、建設資金は鉄筋コンクリート造で、一般的には、施工会社に建ててもらう場合の坪単価は、建設当時は大体¥85万円前後でしたので、概算すると延べ床面積43坪×¥85万円で、約¥3,650万円程度はかかると考えれば、私の場合は約¥2,000万円で出来たので、約¥1,650万円以上の節約が出来たと考えることができます。(ただし自分の人件費をどのように考えるかは様々です。かけられる時間と収入のバランスも大事な要件です。)コンクリート関連工事、屋根、設備、電気、建具などはそれぞれの業者に発注し、残りの木工事の大部分を私と大工経験4年目の新人大工さんの手伝いをお願いして、上棟後の3か月までを2人だけで、4か月目以降の作業の、ほとんどを私と家内で工事しました。生活ができる基本的部分が使えるようになると、すぐに引っ越して、生活をしながら造り続けました。このやり方は私の妻の出身国ドイツでは、よく見かける方法です。完成までを、何年もかけて生活しながら余暇を使って造っています。妻のドイツのお父さんも、自分の家をセルフビルドで造りました。私の場合もほぼ完成といえるようにな状態にるまでには、ほぼ3年程かかりました。